メタ文体

波 2012年 02月号 [雑誌]

波 2012年 02月号 [雑誌]

綿矢りさは、金閣寺のそばの7万2千円のワンルームマンションに住んでいるのか。
億ションを買っていると勝手に想像していた。
六星占術土星人だから、真面目で堅実なタイプなのかな。
きのうは、20枚書いた原稿を3枚ワープロ清書した。
震災が1年経ったし、もうそろそろ手書きをやめてパソコン打ちに戻そうか。
そんなことを考えていたら『小説家の饒舌』で阿部和重が、自分は手書きの文体信仰ではなく、パソコンのメタ文体だ、と自己分析をしていた。
検索やカット&ペーストを駆使した、手書きとは反対の個性のメタ文体。
『波』12・2の「幼少の帝国」(最終回)では、「純血性」ではなく「異種交配」を提唱している。
スタンドの光を浴び、深夜に辞書を引きながら、万年筆で文章を書く、といった私の原点回帰を覆すか。
停滞する精神状態の回復のために。
と、いってもいまの生活に十分満足している面もある。
だから、自分よりひどい状況のひとたちを手助けしたい気持ちが出てきたんだろうか。
ずっと助けてもらってばかりなので。
精神が荒れるのは、ただ周りにいる知り合いが鬱陶しいだけなのかもしれない。
もっと広い視野で生きていきたい。
共同体で抑圧されるのはもうこりごりだ。
新しい人間関係を築きたい。
また、すぐいやになるかもしれないが。
しかし大海に出るべきだ。
もう胎動は始まっている。
いままでお世話になったひとたちも今後ともよろしくお願いしたいけど。