翻訳文学は擬態なのか、生成変化なのか

カーヴの隅の本棚

カーヴの隅の本棚

マーフィ (ハヤカワ文庫NV)

マーフィ (ハヤカワ文庫NV)

文學界』11・6の「カーヴの隅の本棚」(第62回)「擬態する蝶、あるいは翻訳」(鴻巣友季子)をきのう、コピーで読んだ。
この連載は、5年以上続いているのか。
ナボコフベケットの自己翻訳の話が興味深かった。
ガイブンは読みにくいが、最後に引用されたクンデラの楽観的な言葉で救われた。
同誌11・5の「鳥の眼・虫の眼」の坂口安吾の引用「救われないのが唯一の救い」も印象的だった。
ガイブンは読んでいても救われない感じが多い気がする。
あまりに巨大で徒労な挑戦。
読み終わったあとは、たまらない達成感があるが。
なんだか、救われる報われる感覚とは違う、異形な体験だ。
それが「唯一の救い」になるのか。
ベケット『マーフィ』12日着。
アマゾンで購入。
1350円(送料込み)
中国の友人宅で、読んでみてよかったので買った。
『ある戦いの記録』『アンダーワールド』などもこの流れ。
後藤明生のは佳境で止まっている。
きのうは久しぶりの『1Q84』BOOK3を読む。
こちらも佳境。
自作小説は残り2.5枚で終える予定。
ちょうど50枚綴りの原稿用紙が尽きるので、それに合わせて。
うまくまとまるかどうかは判らないが。
そこは天性のいい加減さで。
翻訳に耐えうる作品に仕上げたい。
でも不用意な一文が多すぎるから、無理だろうけど。
川端・大江を読むとどの文も配慮があり、凝っている。
精進します。
それでは。