「夕暮れのプリン」読了
小説―いかに読み、いかに書くか (講談社現代新書 (684))
- 作者: 後藤明生
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1983/03
- メディア: 新書
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とても初々しい短篇だった。
主人公が「荒井」という名でもある通り、「あらさ」を自覚している節もあるが、そのほかの登場人物「葵」「杏里」そして荒井もすべて「あ」から始まる点も己のビギナーさを前面に出してるとも言える。
しかし省略がビギナーらしからぬほどうまい。
文章も美しい。
くいたりない面もあるが、それがまた小説の本来持つあやうい伝わるか伝わらないかの微妙なニュアンスを全体にいきわたらせている。
読みやすくても、こういった空白をつかう技法でいくらでも小説をよみがえらすことができる。
書き初めから何年も小説が紡げずでいたようだけど、とんでもなく純粋な芸術に突き当たってしまった、ということかもしれないが、こんごの活躍も期待したいです。
*
きのうは兄と電話をした。
広範な話をしたような。
いつも同じ話になっているとこもあるが。
12月26日に帰郷するそうです。
今年も終わりですね。
2010年ほどいい年はもうこないんじゃないでしょうか、というほどいろんなことがあった。
特にあぶく銭でよく遊んだ夏。
『みなさんのおかげでした』にパフュームか。
『パフューム・ロックス』は風呂に入りながら聴くか。
きのうは『ベストアーティスト』にも出ていた。
のっちのアップに腰が抜けそうになる。
そういえばクレジットカードが止まってしまった。
『アエラ』2冊と携帯電話代が200円足らずに引き落とせなかったことが原因。
だからミクシィ年賀状も、アマゾンで後藤明生の新書も買えなかったわけだ。
きのうは風が冷たいなか自転車を飛ばし、書苑イケダと精文館へ。
『サブカルチャー戦争』『ユリイカ臨時増刊』『本』『波』『ちくま』を手に入れる。
『ちくま』がかぶってた。
『波』の阿部和重の連載は談話形式のよう。
佐藤友哉の舞城王太郎が『ディスコ探偵水曜日』でやってたような超短篇も載っている。
残り2冊だった。
しかももう1冊は折れ曲がっていた。
帰宅すると『ちくま』が曲がっていた。
すばらしい書物を求めて今宵も読書します。
それでは。