多和田葉子×諏訪哲史

光とゼラチンのライプチッヒ

光とゼラチンのライプチッヒ

カフカ―マイナー文学のために (叢書・ウニベルシタス)

カフカ―マイナー文学のために (叢書・ウニベルシタス)

きのう、愛知淑徳大学星が丘キャンパスの多和田さんと諏訪さんの対談に行ってきました。
この模様は「群像」で活字化されるかもしれないとのこと。
初めに挨拶をした清水良典先生も「群像」出身。
多和田さん、諏訪さんも「群像」出身。
多和田さんは第2回坪内逍遥賞を受賞したそうだが、第1回は村上春樹
ふたりとも早大卒で「群像」出身。
私も「群像」の仲間入りになりたいです。
第1回第2回と行った大江賞講談社だし、なにかと縁がある。
とある雑誌の編集の仕事をさせてもらったときも、編集者のなかに群像新人文学賞の評論部門の出身者がいた。
朝日の記者とカメラマンも来ていたよう。
きのうの朝、朝日の百年読書会から半年投稿を続けたということで、ベージュのブックカヴァーをもらった。
ベージュの傘を買ったばかりだったが。
南伸坊のイラスト入り。
来年の3月まで続けてたら、今度はなにを出すんだろうか。
角川文庫の夏のキャンペーンで、2冊買うと帯についている応募ナンバーからブックカヴァーをもらえるので送ろうとおもっていたが、だぶることにもなるので手に入れなくてよかったか。
シャアのイラストの。
目玉の親父の代わりに新しく出たものらしいが。
対談は教室に大入り満員だった。
女子大だけに女子大生と、あと年配の方が多かった。
はじめに多和田さんが詩と小説の朗読をしたのがおもしろかった。
”むな””なみ””くろふね””ひろ””人身事故”などの言葉遊びにあふれた詩がすごかった。
多和田さんの早大の同級生で新潟大学の先生というスズキ・マサミという方が、クラリネットヒューマンビートボックスで朗読の合間に即興演奏していてすごかった。
小説の朗読は、ヴァイオリンの弾き方みたいな箇所だった。
どの小説かは不明。
諏訪さんの母親も来ていたそう。
それと対談のまえにヴィデオ上映があり、多和田さんがNHKのドイツ語の番組に出演したのに映像追加したものと、群像新人文学賞の授賞式で多和田さんが諏訪さんにヴィデオラヴレター(諏訪氏談)を送った場面の映像が流れた。
諏訪さんが受賞者の挨拶で、「18番、舟唄」と歌いだしたレアな映像が観られた。
すぐRKOラジオの映画のENDマークが出て、キッチュかつ荘厳な終わり方をしてしまったのが、大いに笑えた。
対談の本道のほうは文法の専門用語やカタカナが飛び交い聞きとりづらいことがあったが、諏訪さんのドモリにも後半になるにつれ愛着がもてた。
多和田さんは海外(ドイツだったか?)の書籍取次商の父のもと、東京中野に生まれたそう。
諏訪さんは”スワ婿入り”すると多和田さんを終始葉子さんと呼び、多和田さんの作中に出てくる好みの男性の描写が自分に当てはまるとして、アタックして玉砕していた。
ドゥルーズが引いたプルーストの言葉、
≪言語の内部に外国語を発見する≫
というのが印象に残った。
「この言語ではかけない」という執筆のつまずきが重要とも多和田さん談。
また、小説には詩と批評がないといけないとも諏訪さんがいってました。
多和田さんの著「エクソフォニー」では「人間はコミュニケーションできてしまうと、コミュニケーションばかりしてしまう」と諏訪さんが紹介もしていました。
帰宅後、「探究この世界」で「老いぼれグリンゴ」の回を観る。
入浴後、「Jブンガク」で「平家物語」を、そのあとわんだほ祭の「ネタ&歌フェスタ」を観る。
成嶋早穂アナと鳥居みゆき目当てに観るが、フォーリンラブの「3月9日」と「明日がくるなら」の歌のうまさに感動した。
そのあとは「地名しちとり」
気づいたら執筆ゼロ枚。
電車のなかで横光利一の「純粋小説論」と「旅をする裸の眼」を読んだ。
ドイツ語と日本語で並行して小説を書いたというのが、「旅をする〜」なのか「ボルドーの義兄」なのか判らなくなる。
両手で同時に日本語とドイツ語で執筆する多和田さんの計画もあるそう。
多和田さんの小説は「光とゼラチンのライプチッヒ」くらいを最後に読んでないので、これを機に「容疑者の夜行列車」などを読んでみたいとおもいます。