「おくりびと」と姓名判断
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冒頭部分は佐藤友哉の「444のイッペン」(「ストーリーセラー2」所収)のラストを読んでいたので未見。
はじめは観るつもりはなかったが、母兄のいるリヴィングから聴こえるオーケストラの第九のシーンに誘われて観た。
顔の演技がいちいちオーヴァーなのが気になったが、「木村家の人びと」だとおもえばいいのかと気を取り直した。
阿部和重が「エーガ界に捧ぐ」で「木村家の人びと」みたいに映画をいま撮れればいいのではないかというようなことをいっていてが、先見の明があったのだろう。
阿部さんは映画の舞台になった山形出身だし。
峰岸徹の顔が非常によかった。
キスシーンがないようにおもったが、峰岸さんの顔を際立たせるために顔の印象を過剰なつくりものの演技だけに留めようとしていたのか。
最後はおなかに石をあてて、胎児の顔にクローズアップするようなものか。
あの石は峰岸さんの石だったのか、広末涼子の石だったのか。
くせは強いがいいお話でした。
あまりにもきっちりしすぎているコンパクトさが目立ったが、チェロの音楽でキチキチ感も多少和らいだ。
伊丹十三や周防正行のエピゴーネンみたいな感じもした。
それらの集大成みたいでもあった。
姓名判断で、
≪勝気で自己顕示欲が強いことが原因で損をすることがあります。少し抑え気味に≫
とあった。
たしかにうなずけることがある。
早稲田文学で当選することが確実だとおもい込んでいたし。
それで誇大妄想に苦しめられた経験がある。
それで4年は棒にふった。
この警句は中国の知人の姓名判断にも出ていた。
あと
≪なにもかもが水の泡に終わってしまわないよう、気をつけて≫
とも。
群像新人文学賞に落選したショックで自殺しないようにしよう。