「勝手に逃げろ/人生」鑑賞および 「人間椅子」「革命、憂国、あるいは、太陽」読了

勝手に逃げろ/人生 [DVD]

勝手に逃げろ/人生 [DVD]

江戸川乱歩  (ちくま日本文学 7)

江戸川乱歩 (ちくま日本文学 7)

きのう観ました。
1983年製作。
ベイサージュ=風景。
ベイ=辺り、サージュ=変化が少ない。
ベルソンヌ=人間。
黒歌鳥。
松浦寿輝の「官能の哲学」にも、DVDの表面にも、DVDケースの裏にも散見された上着をめくって胸を見せるポーズは一瞬の映像だったので驚いた。
北野武映画にも相通じるものがあるような。
武さんにこんな映画を撮って欲しいような。
構成がうまく出来ているような、のっけから破綻しているような。
なんやかやとあるが、異常な映画体験でした。
こういうラース・フォン・トリアー風のが簡単に80年代に撮れちゃったら、もう普通に映画を撮るのはやになっちゃうかもね。
愛の世紀やアワーミュージックの凄さが逆に判るというような。
凄いといってもおもしろいとはまた違うが。
筋があるのが邪魔になってくるというか。
判りやすいエスプリが不要というか。
普通の映画に嘔吐感を催すというか。
とにかく刺激的なような退屈なような、よう判らへん映画だったのか。
ゴダールタランティーノ、武。
タケシズや監督ばんざい!の凄さはゴダールタランティーノにもひけをとらないか。
武でいうところのハナビかね、この映画は。
ちょうどいい匙加減かも。
劇映画と思考実験映画の。
右側に気をつけろ!がなんとなくまた観たくなった。


人間椅子」読了。
リリードはおもしろいなあ。
16才くらいに読んだとおもうが。
19年前か。
きのう16才の日記を読み返しました。
喉にウナギの骨が刺さったことが書いてあった。
あとは将来の夢について。
小説家という夢もあった。
あとはゲーム関係、マンガ家、映画監督。
しかし職業としての夢の実現には懐疑的だ。
好きなことを大人になってもやっていられることが大事とおもっていたらしい。
親戚から譲り受けた初代のワープロで打たれていた。
これで同人誌をよく作ったなあ。
このあとシャープのワープロを米兵で買う。
それは東京を離れるとき、リサイクルショップに売ってしまった。
これでも同人誌の原稿を打ったりした。
そして三代目がいま使っているバイオのノートパソコン。
秋葉原ソフマップで中古で買った。
2回壊れた。
2003年の12月と2006年の6月。
そろそろ3回目かな。
まえの所有者は2001年3月16日に新宿のヨドバシカメラ東口で購入している。
だからもう9年前の代物だ。
いまブログを打っているNECのデスクトップパソコンは2009年6月17日にケーズデンキで買った。
完全なプライヴェート情報で皆様はなんの興味もないとおもいますが、のちのち検索できる記録として残したいので……
パソコンの修理で検索!


「革命、憂国、あるいは、太陽」読了。
なんとも丁寧な作りの作品だった。
日本の大学生活と海外旅行記の2部構成。
徹底した平坦な文章といい、現代を憂うテーマといい、作品と人生に対する真摯な姿勢が伝わってくる。
「書きあぐねている人のための小説入門」を実践するとこうなるのではないかとも思わせる。
また現代人の貧しさばかりに目をやっているわけでもなく、そのイノセントな主人公のありかたはユーモラスでさえある。
しかしあまりそのやりかたが行き過ぎたきらいがあり、よくある作品と誤解されがちな欠点もあるだろうか。
だが描く目は確かなものがあり、もうちょっと文学的な逸脱があればいいとおもう。
型にはまりすぎというか。
それはそれで純文学の定番でいいのであるが。
次回作も楽しみにしてます